VoC2026-03-275分

商談に眠るVoCは「宝の山」なのに、なぜ誰にも届かないのか

営業担当者が「橋渡し」を担っている現実

ある企業のPdMは、商談から得られる顧客フィードバックをプロダクト改善に活かしたいと考えていました。しかし、適切な記録手段がなく、フィードバックの管理方法をどうするかで悩んでいたそうです。イシュー管理ツールでまとめるか、スプレッドシートで管理するか——結論が出ないまま、結局は営業担当者が商談のたびに手動で要点をまとめ、開発チームに共有していました。

別の組織では、VoC関連の社内共有業務に高い工数がかかっていることが課題になっていました。営業担当者は「社内工数がかなりかかっている。自分の仕事の外に持っていけるなら、営業の負担が大幅に下がる」と話していました。

つまり、VoCをプロダクトに届けるパイプラインは、営業担当者の善意と手作業に依存しているのです。これは属人的であり、スケールしません。担当者が忙しければ共有されず、異動すればパイプラインごと消えます。

PdMが欲しいのは「生の声」であって「要約」ではない

営業からPdMへのフィードバックで、もう一つ見落とされがちな問題があります。それは、情報が営業のフィルターを通過している、という点です。

営業担当者が「この機能の要望が多いです」とまとめてくれたとしても、PdMが本当に知りたいのは、その裏にある顧客の発言そのものです。「何に困っていて」「どういう文脈で」「どのくらいの切実さで」その話が出たのか——これが失われると、優先度の判断を誤るリスクがあります。

たとえば、ある顧客が「入力が難しい」と言ったとき、それがUI/UXの問題なのか、そもそもサービス構成が複雑すぎて情報の整理ができていないのか、あるいはCRM連携の不備なのかによって、打ち手はまったく異なります。営業のメモだけでは、この文脈が抜け落ちてしまいます。

ある企業のPdMは、商談録音から顧客の発言を文脈ごと直接確認できる仕組みを使い始めた結果、「営業に聞かなくても自分で見に行けるのがめちゃくちゃ楽だ」と評価していました。営業が要約するのではなく、顧客の発言が文脈ごとPdMに届く。このパイプラインの設計が、プロダクト改善の精度を左右します。

経営層にも「見えない」問題

VoCが届かないのは、PdMだけの問題ではありません。経営層もまた、商談の現場で何が起きているかを十分に把握できていないケースが多くあります。

ある企業の経営層は、「知りたいタイミングで、チャットのように質問したら商談状況やVoCの情報を返してくれる仕組みがあれば便利なのに」と話していました。レポートを待つのではなく、必要なときに必要な粒度で情報にアクセスしたいというニーズです。

しかし現状では、営業マネージャーがCRMや議事録ツールのデータをもとに手作業でレポートを毎週作成し、経営会議に持ち込んでいるケースが少なくありません。経営層に届く情報は、営業担当者→マネージャー→レポートという多段のフィルターを経由しており、現場の温度感はかなり薄まっています。

VoCが組織に「流れない」3つの構造的原因

ここまでの現場の声を整理すると、VoCが組織を横断して流れない原因は3つに集約されます。

  • ① 記録の仕組みがない。 VoCを体系的に記録する手段が営業組織に存在しない。あるいは存在しても、入力の手間が大きすぎて使われていない。結果として、顧客の声は担当者の記憶かCRMの一行メモに留まります。
  • ② 届ける先が設計されていない。 VoCが記録されたとしても、「それを誰が見て、どう使うか」が定義されていなければ、データは蓄積されるだけで活用されません。PdMが見るのか、CSが見るのか、経営層が見るのか——それぞれ必要な粒度も違います。
  • ③ 営業の「本業」ではない。 VoCの記録・共有は、営業担当者にとって付加的な業務です。受注目標を追う日々の中で、プロダクトチームへのフィードバック共有は後回しにされがちです。これは担当者の意識の問題ではなく、業務設計の問題です。

VoCを「組織の資産」に変えるために

VoCを活用できている組織に共通しているのは、営業担当者の手作業に頼らずに、商談データからVoCが自動で抽出・分類される仕組みを持っていることです。

具体的には、次のような設計が機能しています。

商談録画からVoCを自動抽出する。 商談の中で語られた課題、要望、競合への言及、ポジティブフィードバックが、AIによってカテゴリ分けされて記録されます。営業担当者が意識的に記録しなくても、商談をするだけでVoCが蓄積されていく仕組みです。

PdMが直接参照・活用できる導線をつくる。 抽出・分類されたVoCをPdMが直接閲覧できる状態にすることで、営業を介さずに顧客の声をプロダクト改善に活かせるようになります。要望の件数だけでなく、背景の文脈や発言者のプロファイルまでトレースできることで、優先度判断の精度が上がります。

CSが商談の文脈を引き継いで顧客対応に入る。 受注後、CSがオンボーディングを始める際に、商談中に顧客が語った課題や期待値をそのまま参照できれば、「営業に聞いた話と違う」というギャップが減ります。解約リスクの早期察知にも、商談段階で出ていた懸念事項のデータは有効です。

経営層はVoCの「傾向」にアクセスする。 個別の声ではなく、「業務効率化に関する要望が多い」「特定の競合への言及が増えている」といった傾向データを、経営判断に使える粒度で提供します。

Upflowでできること

Upflowは、商談録画から顧客の課題・要望・競合への言及・ポジティブフィードバックを自動で抽出・分類し、PdMやCSが直接参照できる形で提供します。営業担当者が意識的に記録しなくても、商談をするだけでVoCが蓄積されていく仕組みです。

CSはオンボーディング開始前に商談中の文脈を把握でき、「営業から聞いていた話と違う」というギャップを減らせます。経営層は個別の声ではなく「特定の要望が増えている」「競合名が急増している」といった傾向データに、必要なタイミングでアクセスできます。

VoCの活用にご興味がある方、商談データをプロダクト改善や経営判断に活かしたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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